鋼の種類
l高張力鋼
炭素鋼よりも高い引張強度と靭性が求められる用途には、低合金鋼が幅広く使用されています。これらは、高張力鋼または構造用鋼と肌焼鋼に分類されます。高張力鋼は、合金添加量に応じて焼入れ・焼戻し処理による完全硬化を可能にする十分な合金元素を含んでいます。
l表面硬化(浸炭)鋼
肌焼鋼は、低炭素鋼の一種で、熱処理中に炭素の吸収と拡散によって高硬度の表面領域(「肌焼鋼」と呼ばれる)が形成される鋼種です。この高硬度領域は、影響を受けない下層のコア領域によって支えられており、コア領域は硬度が低く、靭性が高くなっています。
肌焼きに使用できる普通炭素鋼は限られています。普通炭素鋼を使用する場合、十分な硬度を得るために必要な急速焼入れにより歪みが生じ、芯部に得られる強度は非常に限られます。合金肌焼き鋼は、より緩やかな焼入れ方法を採用することで歪みを最小限に抑え、高い芯部強度を実現できます。
l窒化鋼
窒化鋼は、焼入れおよび焼戻し後に 510 ~ 530°C の範囲の温度で窒化雰囲気にさらされると、窒素の吸収によって表面硬度が高くなります。
窒化に適した高張力鋼は 4130、4140、4150、4340 です。